ミュージカル「ミス・サイゴン」(7~8月、帝国劇場)の制作発表会が7日、都内で行われ、92年の日本初演からエンジニア役を務める“ミスター・サイゴン”こと俳優市村正親(73)が「半永久的にやれる」と意気込みを語った。

30周年の節目を迎えた作品に初演から続投を続ける市村は「世界でも類を見ない俳優の市村正親です」と登場。44歳だった初演を振り返りながら「元気な73歳でーす」とおちゃめにあいさつした。

30年間続けてこられた秘訣(ひけつ)について「ほかのエンジニアがたいしたことないのかもしれない」と笑わせ、「お芝居の神様が、エンジニアという役は市村が墓場に行くまではやらせてあげたいと。年齢の割には元気だし、足もまだ上がるし、(神様に)気に入られているんじゃないですかね」。

16年公演後、エンジニア役からの卒業を表明したが、ファンの熱烈なアンコールに応えて続投を決めた経緯がある。この日は「これが最後とは言いません。足腰が立つ限りエンジニアをやっていきたい」「半永久的にやれると思っている。車いすに乗りながらでも、しがみついてやる。それこそがエンジニアの精神。『この役を離すものか』としがみついて続けるのが今後の目標」と力強く語った。

20年公演は、稽古が始まったタイミングで新型コロナウイルス感染拡大により中止となった。今回は、キャスト再集結で臨む。

ヒロイン、キム役に初挑戦する女優高畑充希(30)は「2年前はお稽古場に入って、立ち稽古がついた状態での解散だった。せっかくみんなと楽しく稽古が始まったのにバラバラになるさみしさがあった」とし「2年延びて30になったことだし、パワフルに頑張りたい」。市村との共演についても「市村さんがまた(エンジニア役を)やってくださると聞いて、喜びが大きかった。大先輩で大尊敬ですが、一緒に立っていたら安心、楽しい」と話した。

この日は、エンジニア役の駒田一、伊礼彼方、東山義久、キム役の昆夏美、屋比久知奈も登壇した。