国際スケート連盟(ISU)が、フィギュアスケートの国際大会に出場できる年齢制限を段階的に引き上げる検討を正式に開始した。

 ロシアメディア「ガゼッタ」は「ISUの評議会が、シニア大会のエントリー年齢を現行の15歳から、2023―24年シーズンは16歳に、24―25年シーズンからは17歳に引き上げることを提案している。選手は当概年の7月1日までに必要な年齢に到達していなければならない」と報じた。

 選手の体力や体への影響などを考慮して年齢制限を引き上げる方針だが、同メディアはこの措置が〝ロシア包囲網〟だと警戒している。

「ロシアには新しいルールのために問題を抱える有望なアスリートがすでにいる。14歳のソフィア・アカチェワ、ソフィア・サモデルキナ、アナスタシア・ジニナらがいる。彼らはすでにクワッドジャンプ(4回転)を跳んでおり、17歳の誕生日を待たなければいけないのか」と指摘。ロシアにはすでにシニアの国際大会に入ってもトップレベルとみられる有望株が次々と育っているが、そうしたロシアの選手たちを〝狙い撃ち〟した制度改正と批判しているのだ。次回の2026年ミラノ・コルティナ五輪はこれらの選手は影響はないが、世界選手権などの出場は支障が出ることも考えられるため、ロシアでは大きく取り上げられている。

 さらに「この情報は、ロシアのカミラ・ワリエワがドーピングテストでの陽性が判明した同じ日に示された」と同メディアは指摘。世界中を揺るがせているワリエワのドーピング問題と絡めて〝陰謀〟の可能性も示唆した。