秋谷百音:話題作「ベイビーわるきゅーれ」で“ヤクザの娘”熱演 「一生かかっても言わないくらい、暴言吐きました」

映画「ベイビーわるきゅーれ」で浜岡ひまりを演じた秋谷百音さん
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映画「ベイビーわるきゅーれ」で浜岡ひまりを演じた秋谷百音さん

 昨年7月末に劇場公開されると、口コミで評判が広がり、異例のロングランヒットを記録した阪元裕吾監督の映画「ベイビーわるきゅーれ」。同作で、主人公の殺し屋コンビ、ちさと(高石あかりさん)とまひろ(伊澤彩織さん)の命を狙うヤクザの娘・浜岡ひまりを演じたのが、女優の秋谷百音(あきたに・もね)さんだ。傍若無人な振る舞いを見せるひまり役を通して、撮影では「一生かかっても言わないくらい、暴言を吐きました」と振り返る秋谷さんに話を聞いた。

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 ◇とにかく場を乱す、異物であることを意識

 「ベイビーわるきゅーれ」は、社会不適合者な“元女子高生”殺し屋コンビが頑張って社会になじもうとする姿を描く異色の青春映画。組織に委託された人殺し以外、何もしてこなかったちさととまひろ。2人は高校卒業後、“オモテの顔”の社会人として生活することを余儀なくされる。ルームシェアしたものの、コミュ障のまひろは、バイトもそつなくこなすちさとに嫉妬。2人の仲は徐々に険悪に。一方で殺し屋の仕事は忙しく、さらにはヤクザから恨みを買って面倒なことに巻き込まれてしまい……というストーリー。

 ちさと&まひろと敵対し、クライマックスのアクションシーンでは、父親と兄の復讐(ふくしゅう)のため、ちさとと拳銃で撃ち合うひまりについて、秋谷さんは「最初は本当にぶっ飛んでいるなって思いました」と明かす。

 台本を読んだ段階での話で、文字から受け取った印象は「この役を自分ができるのか?」だったという。

 一方で、実際に演じてみると「意外と人間的で普通に思えた」という秋谷さん。「もちろん、言動は突拍子もないですし、仕事もヤクザではあるのですが、父親に対する気持ちとか、お兄ちゃんに負けたくないっていう思いとか、みんなが持っている感情をひまりも同じように持ってはいて、表し方が突拍子もないだけで、弱さを感じるシーンもあって。確かにぶっ飛んでいるのですが、そこに至る過程、感情は分かるところもありました」と理解を示す。

 演じるにあたっては「とにかく場を乱す、異物であることを意識しました」と告白。「その場にいると、一人だけやばい、みたいな。でも、普段の自分と全く違う役ではあったので、テンションを上げていくのは大変でした。私がクランクインしたとき、すでに撮影は進んでいたので、その中で異物としているため、どういうテンションでいればいいのか。声の大きさとかトーンとか、最初は難しかったです」と振り返った。

 改めて、言葉遣いについては、「今までも言ったことないですし、この先も日常生活では絶対に使わないような、ありとあらゆる暴言を発していたので、そのあとは少し、口が悪かったと思います(笑い)」としながらも、「役を演じているときは自然と罵詈雑言が出てきて、それはそれで楽しかったです」と笑顔を見せた。

 ◇コスプレは変身願望の表れ 「自分を着せ替え人形にして、憧れを表現」

 現在22歳の秋谷さんは「真面目なんですけど、できないことは圧倒的にできない。しっかりしてそうで、実はあまりしていなかったり、そこのギャップはあると思います」と自己分析する。

 アニメ・マンガ好きで、家には大量のマンガ本を所蔵。またインスタグラムではたびたびコスプレを披露しているが、これは変身願望の表れだとか。

 「普段の自分とは違う、『こういう女の子、よく見るよね』というのを表現してみたくて。その“最大公約数”になってみたいなって。自分を着せ替え人形にして、憧れを表現している感じです」と語る。

 女優業についても、「自分で組み立て、出来上がった役という液体を入れる透明な容器みたいに自分のことを感じていて。自分を通して、その役がどう見えるかっていう実験でもあるのかなって思っています」と持論を披露。

 その上で「結構いろいろなタイプの役を演じてきて、自分としては、それこそ『こういう女の子いるな』と思えるキャラクターを作ることが楽しいですし、そのキャラクターが自立して、隣にいてもなじむような人間を作りたいです」と声を弾ませていた。

 秋谷さんは、2月17日に池袋シネマ・ロサ(東京都豊島区)で開催される映画の舞台あいさつ(午後7時20分の回上映後)に登壇を予定している。

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