岸田政権の新型コロナウイルス対策の遅れが指摘される中、菅義偉前首相の在任中の感染対策が自民党内で評価されている。

 自民党内では岸田首相がワクチンの3回接種について「1日100万回が目標」と表明した際、「菅氏は去年、実現させた。判断が遅すぎだ」と厳しい批判の声が上がった。

「岸田首相は菅氏と関係が深い小池百合子都知事からオミクロン株の感染スピードをめぐり、政府の判断を明確にすべきだと直談判された。菅氏のような政治手腕や力量が問われいます」(自民党議員)

 その菅氏は現在、今後の政局を見据えて菅政権を支えた派閥幹部らとの会談や無派閥議員と意見交換を行うなど、党内で存在感を示している。

「菅氏の行動は本格的に菅グループ結成と見られています。岸田首相は自身の岸田派、麻生派、茂木派に支えられているが今後、麻生派幹部らが脱会すると言われており、党内の勢力図に変化が起きる。安倍派が菅氏に接近すれば、岸田首相に対抗ができる勢力になります」(自民党関係者)

 昨年はデルタ株が拡大する中で東京五輪・パラリンピックを開催し、所在なく首相の座を降りた菅氏だが、ここにきてメディアへの露出も増えている。自民党の権力闘争キーパーソンになるのか。