歌手で埼玉・戸田市議のスーパークレイジー君(35)が議員継続できるかどうかが決まる最高裁判決が、来月言い渡される。3月中には戸田市長選、夏には参院選を控えていて周辺が騒がしくなってきた。

 昨年1月の戸田市議選で当選したクレイジー君だが、選挙前に3か月間の居住実態がないとして戸田市選挙管理委員会、埼玉県選管は、いずれも当選無効とジャッジ。クレイジー君は裁決の取り消しを求め、高裁に提訴するも、昨年10月に棄却された。

 一縷(いちる)の望みをかけ最高裁に上告していたところ、判決日が3月4日に決定。クレイジー君は16日、ツイッターで「あと20日間さいごまで与えられた仕事はやります 悔しいけど。民主主義で当選したことには変わりは無いと思ってます。これからも道は続くので応援宜しくお願い致します。すぐにリベンジするから!」と投稿した。

 逆転勝訴の可能性もあるが、上告が退けられればクレイジー君は市議のバッジを失う。気になるのはツイッターに記した「すぐにリベンジ」の意味だ。クレイジー君はかねて「お世話になった戸田に恩返ししたい。これからも変わらない」と明言し、来月13日告示20日投開票の戸田市長選へのリサーチも進めていた。

 再選出馬を表明している菅原文仁市長に対する有力な対抗馬が名乗り出ない中、「無投票では有権者の選択肢がない」とクレイジー君を推す動きもあったとみられる。今後の動きはまだ不透明だが、クレイジー君が出馬要請を受け、呼応する可能性も否定できない。

 また夏の参院選も視野に入れており、複数の国政政党からラブコールも受けている。クレイジー君は昨年12月から「スーパークレイジー君党」の党首として、全国行脚の政治活動を始め、すでに20都道府県を制覇した。

 ネットや都市部以外でも認知度が高いことを肌で感じ、支持を訴えている。参院選の比例代表で出馬となれば、政党次第ではワンチャンどころか十分に戦える下地を着実に作り上げているだけに、今後の動きが注目される。