自分の相撲道は曲げない。大相撲春場所(3月13日初日、大阪府立体育館)の新番付が28日に発表され、新関脇に昇進した阿炎(27=錣山)が強い信念を口にした。

 過去最高位の小結を超え、ついに師匠の錣山親方(元関脇寺尾)と番付で肩を並べた。この日のオンライン会見で「入門した時からずっと師匠を超えることが夢だったので、第一歩を進めた」としつつ「ここが最後の番付じゃないので、しっかり上を見つつ自分を見直しながら進んでいきたい。今までと変わらずチャレンジする気持ちは忘れずいきたい」と表情を引き締めた。

 新型コロナウイルス対策のガイドライン(不要不急の外出禁止)に違反して3場所出場停止となったが、幕内復帰した昨年11月場所から2場所連続で優勝争い。生まれ変わった姿を見せ続ける中で期すものは「自分の中の芯を真っすぐにしようとしている」という気持ちだ。

 阿炎は「これまでは自分の決めたルールを適当にあしらっていたが、ああいうことがあって相撲道を自分なりに考えるようになり見つめ直している。(相撲でも)引き、いなしが減ったし、攻める気持ちがすごく表れていると思う。気持ちの部分で真っすぐだと思われた方が認めてもらえる」と自身の原動力を語った。

 その上で「動き負けないのと突き出すのだけは誰にも負けたくない。(春場所は)自分を出し切ったいい相撲を取ろうと思うので、それを見てもらいたい」と言い切った。春場所でも賜杯争いの輪に最後まで加わるつもりだ。