エンターテインメント界に大きく貢献したプロデューサーを顕彰する「第17回渡辺晋賞」の授賞式が2日、都内で行われ、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、西武園ゆうえんち、ネスタリゾート神戸などの再生に導いた刀CEO森岡毅氏が渡辺晋賞、「ドラゴンクエスト」の音楽で知られ、昨年9月に亡くなったすぎやまこういちさんが特別賞をそれぞれ受賞した。

森岡氏は、エンターテインメントにマーケティングという数学的考え方を持ち込んで独自のメソッドを確立。新たな価値を創造していく実行力が評価された。森岡氏は「この映えある受賞は、エンターテインメントで日本社会を豊かにしたいと願う渡辺晋さんの遺志を継ぐ皆様から、エンターテインメントにおける新しい価値創造と持続可能な事業を次世代のために1つでも多く創りだせ、という激励と受けとめております。今後も私たちは、『マーケティングとエンターテインメントで日本を元気にする』という大義の下、真の消費者価値を創りだすマーケティングを普及させ、エンターテインメント業界のさらなる発展のために、これまで以上に誠実にまい進して参ります」とコメントした。

同賞は故渡辺晋さんが創業した芸能事務所「渡辺プロダクション」の創業50周年を記念し、創設された。式では新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底した上で、晋さんの妻で、主催の一般財団法人渡辺音楽文化フォーラム・渡辺美佐理事長(93)からトロフィーと副賞100万円が授与された。

すぎやま氏は、長きにわたり日本の音楽界でトップランナーとして精力的に活躍。特に「ドラクエ現象」と呼ばれたブームの一翼を担い、「ゲーム音楽」を単なるBGMから主役に変え、新たなジャンルを確立させた。作曲家として活躍する前のフジテレビ時代、渡辺晋さんや渡辺美佐氏とともに、日本のテレビ業界初の音楽番組「ザ・ヒットパレード」や「新春かくし芸大会」などの数多くの番組をプロデュースし、現在の音楽バラエティー番組の基礎を作ったことも評価された。