ドラえもん:映画版ジャイアンの格好よさはスネ夫のおかげ? 声優陣が語る「のび太の宇宙小戦争 2021」

「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」の一場面(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2021
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「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」の一場面(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2021

 人気アニメ「ドラえもん」(テレビ朝日系)の41作目となる劇場版最新作「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021」(山口晋監督)が、3月4日に公開された。同作は、1985年公開の名作「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争」のリメークで、新たな脚本でのび太たちの宇宙を舞台にした大冒険が描かれる。ドラえもん役の水田わさびさん、のび太役の大原めぐみさん、しずか役のかかずゆみさん、ジャイアン役の木村昴さん、スネ夫役の関智一さんの「ドラえもん」レギュラーキャストに見どころを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇ワクワクのひみつ道具 女子の憧れ、しずかちゃんの牛乳風呂も

 --「映画ドラえもん」シリーズでは、「のび太の恐竜」「のび太の魔界大冒険」「のび太の宇宙開拓史」「のび太と鉄人兵団」「のび太の大魔境」「のび太の日本誕生」がリメークされてきました。「のび太の宇宙小戦争」がリメークされると聞いた時の感想は?

 木村さん これまでのリメークは、どれも僕が生まれる前の作品で、「のび太の宇宙小戦争」も僕が生まれる5年前の映画なんです。それをまた今自分がやるっていうのは、個人的にすごく感慨深いところがありました。ワクワクしました。

 関さん 「のび太の宇宙小戦争」は、ドラえもんの道具を使って、ジャイアンやスネ夫が特撮映画の撮影をしているシーンから始まるんですけど、子供のころにあれに憧れたんですよ。あのシーンを見て、工作用紙でビルを作って撮影するまねをしてみたりして。「のび太の宇宙小戦争」はあのシーンが物語の発端になってくる。僕の中の楽しいドラえもんのイメージがそこにあるので、冒頭はワクワクしちゃうんですよね。普通じゃできないことをさせてくれる。あれがいいですよね。

 木村さん ワクワクポイントでいうと、僕も子供の時に見ていいなと思ったのは、秘密基地系のひみつ道具ですね。

 --「かべ紙秘密基地」というかべ紙を壁に貼ると、その中が秘密基地になるひみつ道具が登場します。

 関さん あれはいいよな。現代の日本には絶対あってほしいというか。土地が高いし、狭いじゃないですか。あれがあればみんな豪邸に住めますよ(笑い)。あと、「天才ヘルメット」というかぶると機械を改造できる道具も出てきます。天才ヘルメットという名前が最高ですよね。

 木村さん 今回もワクワクするひみつ道具がいっぱい出てくるところが注目ポイントです。

 --「のび太の宇宙小戦争」は、手のひらサイズのパピとのび太たちが一緒に過ごすためにスモールライトで小さくなります。小さくなって巨大なおやつを楽しんだり、風呂で泳ぎ回るようなシーンも描かれます。

 水田さん 私、「のび太の宇宙小戦争」がリメークされることが発表された時に、役者仲間から「『のび太の宇宙小戦争』っていえば、しずかちゃんの牛乳風呂!」と言われたんですよ。

 --小さくなったしずかが憧れの牛乳風呂に入る名シーンの一つですね。

 水田さん 世の女子たちは、子供のころにしずかちゃんの牛乳風呂に憧れたんですよね。子供のころに見た映画と牛乳風呂のシーンが結びつくのがすてきだなって。

 木村さん 劇場版となると、いつもより動きが細かく描かれるのも見どころなんですけど、しずかちゃんが牛乳風呂に入っている時に、物音に気付いてビクッとするシーンがあるんですけど、髪から牛乳がバッとはじけ飛ぶのがすごく細かく描かれていて見事でした。

 水田さん しずかちゃんがキラキラしているので、ぜひ注目してほしいですね。オーラが半端ない。

 かかずさん みんないいシーンがありますから。しずかちゃんは画で頑張ってくださっている。

 大原さん 体が小さくなってからの、メロンをおなかいっぱい食べるようなシーンも、すごく夢がありますよね。自分も子供のころ、「小さくなったらこんなことをやってみたいな」と思っていたので、その想像を膨らませて、「自分がもし小さくなったらどんな気持ちになるだろう」と考えながら、演じさせていただきました。

 ◇スネ夫が生む「ドラえもん」のリアリティー 今回は「スネ夫の宇宙小戦争」?

 --本作では、しずかとスネ夫が宇宙空間を舞台にラジコン戦車で敵に立ち向かうバトルシーンも描かれます。

 かかずさん しずかちゃんとスネ夫さんは、珍しいペアですよね。

 関さん たしかにそうなんですよ。ほぼ話したことないですから。

 かかずさん それはいいすぎ!(笑い)。

 関さん スネ夫は、のび太とジャイアンとはよく会話するんですけど、意外とドラえもんとしずかちゃんとはあんまり絡まないんですよ。直にやり合うみたいなのは、あんまりない。

 --戦いに対して弱気になっているスネ夫を、ジャイアンやしずかたちが叱咤激励するシーンも描かれます。

 木村さん 劇場版の妙というか、ジャイアンが劇場版ジャイアンとして脚光を浴びがちですけど、スネ夫がネガティブなことをいうからこそ、ジャイアンが「何をいってんだ!」となるわけじゃないですか。

 関さん そう、僕のおかげだよね。

 木村さん ジャイアンが格好いいのは、実はスネ夫のおかげなんですよ。スネ夫が弱気になってふさぎ込むようなシーンがなかったら、みんなで敵を倒して、地球に帰って終了だけど、スネ夫がいるから一つドラマが生まれるんですよね。

 関さん やっと分かってきたね、構造が(笑い)。映画では、みんなが急に勇気りんりんになっちゃうじゃないですか。しずかちゃんまでもが「宇宙に行って、やってやろうぜ!」みたいな。僕(スネ夫)だけが一般の感覚を持って、「そんな危ないところ、行きたくないよ!」と。スネ夫のおかげでドラえもんの世界観にリアリティーが出る。

 大原さん たしかに、今回はスネ夫くんが塞ぎ込んでしまうから、しずかちゃんの強さが引き立つ部分もあるんですよね。スネ夫くんのおかげでしずかちゃんのよさが見える。

 関さん スネ夫が裏でストーリーを回しているんですよね。ドラえもんやのび太が表で回している裏で、スネ夫はみんなにいいパスがちょっとずついくようにしているというか。今回は、スネ夫もちょっと多めにシュートを打たせてもらいましたけど(笑い)。

 木村さん 今回は「スネ夫の宇宙小戦争」でもよかったかもしれない(笑い)。

 劇場版最新作は、1985年に公開された「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争」のリメークで、新たな脚本でアニメ化。のび太たちが小さな星・ピリカ星の大統領・パピと出会い、ピリカ星の反乱軍に立ち向かおうとする。宇宙船が3DCGで描かれるなど、名作が進化を遂げてよみがえる。「超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ 天空大決戦であります!」の監督で、「映画ドラえもん のび太の月面探査記」で演出を担当した山口晋さんが監督を務め、「交響詩篇エウレカセブン」などの佐藤大さんが脚本を手掛ける。

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