東山紀之(55)が、BSフジ開局20周年記念番組「私しか知らない森光子~豪華スター涙と笑いの初告白~」(6日午後7時)に出演し、女優森光子さん(享年92)は自分にとって「光でした」と語っていることが4日、分かった。

没後10年を迎える今年、あらためて森さんの魅力と功績に迫る番組。東山は、デビュー間もなく森さんに認められた出会いのエピソードや、森さんと交わしたファクスを初公開したほか、森さんがキャスターを務めていたフジテレビ「3時のあなた」に22歳でゲスト出演した際の秘蔵映像などを通し、思い出を語った。

ファクスでは「頭がパニックで1日が長く感じます」という若手のころの初々しい文面に照れ笑い。「森さんは、学びの場、コミュニケーションの場を作ってくれた人です」。自身が50歳で情報番組「サンデーLIVE!!」(テレビ朝日系)のキャスターに挑戦したのも、森さんの「3時のあなた」の影響が大きかったという。「大女優でありながら、世の中で起こっていることを察知し、お芝居に生かしていく。あそこに進めばいい、と目標になってくれた人」とし、自身にとって「名前の通り、光でした」と語った。

収録後、舞台共演時のエピソードも振り返り「森さんをお姫さま抱っこして逃げるシーンがあるんです。つまずいて転んではいけないから、そこから本格的な筋トレを始めた」という秘話も披露。「男の人、女の人ではなく、その人が良いか悪いかをちゃんと見ていた人。今の世の中が必要としている考え方を持っていた」と懐かしんでいる。

番組の風間直美プロデューサーは「女性の生き方という点で、今の女性にも何か感じてもらえる存在。没後10年の今はもちろん、100年後の女性たちが森さんを見てどんな感想を抱くのだろうと感じます」。演出の渡邊美香ディレクターは「没後10年というとしめっぽくなりがちですが、出演者の皆さんが、そこに森さんがいるかのように楽しくお話をされている。そんな皆さんの表情を見ていただいて、多くの人に愛された女優森光子さんを知っていただきたい」と話している。

○…上演回数2017回を記録した舞台「放浪記」で知られる森さん。番組では、再現された森さんの楽屋を米倉涼子(46)が訪れ、涙する場面も収録された。また、黒柳徹子(88)は、2人でよく食べたという帝国ホテルの野菜カレーが振る舞われると、森さんの不在を実感して声を震わせた。一方、お笑いのジャンルでも一流だった森さんについては、ザ・ドリフターズの加藤茶(79)と、森さんが大ファンだったという爆笑問題太田光(56)が対談。ドリフの番組で水をかぶって笑いをとる森さんの秘蔵映像に「芸人」とリスペクトし、「芸術に行かずに、常に大衆とお茶の間に向かっていた」とたたえた。