黒沢あすか(50)の主演映画「親密な他人」(中村真夕監督)の初日舞台あいさつが5日、都内のユーロスペースで行われた。映画に出演し、現在、多発性骨髄腫で療養中の佐野史郎(67)がコメントを寄せ、黒沢が代読した。

「『親密な他人』、公開初日、映画の内容とあいまって、特別な時間となっていることと存じます。現代の世相を反映しながらも、古典と言っても良いほどのサスペンス、ミステリーの骨格を持つ作品だとは、シナリオを読んだだけでは分からないところもありましたが、恐ろしく、切ない内容に、あらためて、これからの世界に、本当に救いが必要なのだと思わされました。中村監督の想いが、多くの方に届きますように!!」

佐野は21年5月にTBS系ドラマ「リコカツ」を降板することを発表し、自身の公式サイトで約1カ月入院治療せざるを得なくなったと報告。同12月10日に放送されたテレビ朝日系「徹子の部屋」で、多発性骨髄腫の治療中であることを告白し、同26日に公式サイトで退院を報告していた。

関係者によると、佐野は3月中にも復帰の可能性を示唆し、この日の舞台あいさつへの登壇にも意欲を示していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、大事を取ってコメントを出す形になったという。佐野は20年末に撮影が行われた「親密な他人」で、黒沢が演じたシングルマザーの恵が住む集合住宅の管理人・上島正治を演じた。