大相撲の元横綱白鵬の間垣親方が、東日本大震災から11年、また自身も37歳の誕生日となった11日に被災地への思いを語った。

 この日、報道陣の電話取材に応じ「親方として(誕生日を)迎えるのは初めて。今までは大阪場所中か、場所前などで緊張してお祝いという感覚はなかった」と現役時代の心境との違いを振り返った。

 震災が起きたのは自身26歳の誕生日。因縁を感じ毎年、東北へ足を運んだり、力士会会長として土俵を寄贈するなど被災地の支援に積極的に取り組んだ。「この日は絶対に負けないように、絶対白星で東北の皆さんに元気と勇気をつけようと気持ちを引き締めていた」と明かした。

 親方となった現在もその思いは変わらない。寄贈した土俵で鍛えられた子供たちが、メキメキと力をつけている声も耳にするといい「これからは東北への巡業の先発も経験すると思う。時間かけて町の人たちと交流ができると思うんで、スカウトじゃないけど、東北の子を預けてもらって、親方として強い力士を育てて東北を元気にしたい」と自身の新たな役割を見いだしていた。

 一方で春場所(13日初日、大阪府立体育館)の注目力士にも言及。元横綱朝青龍を叔父に持つ新小結豊昇龍(立浪)に「気持ちの面ではいつ横綱、大関になってもおかしくない」と好評価。一方で「頭を下げて前みつ取るのは見た目や形はいいけど、相撲が小さくなっている。(元横綱)千代の富士さんのビデオを見て研究してほしい」と注文をつけていた。