女子プロレス「スターダム」の林下詩美(23)がベルトの価値を逆転させる。東京・両国国技館大会2デイズ(26、27日)初日では同じ「クイーンズ・クエスト(QQ)」のワンダー王者・上谷沙弥(25)に挑戦する。同日は朱里とジュリアの「ドンナ・デル・モンド(DDM)」対決によるワールド王座戦も行われるが、前王者として思うところがあるようで…。
昨年12月に朱里に敗れ赤いベルトことワールド王座から陥落した詩美が、今度は白のワンダー王座取りをかけて上谷に挑む。だが、QQの先輩として、王者に物足りなさを感じているという。
「隣で見てきて成長を感じますし、頼りがいもあって。その結果、ベルトもついてきた。ただ、同じユニットとしての意見はそのぐらいですね」
これまで同王座を巻いたジュリアや中野たむを、詩美は「それぞれ自分の色に染め、赤いベルトに並ぶように価値を上げてきたと思うんです」と分析。一方、現王者については「全力で試合をしているのは分かる。でも、『まだ中野たむの呪いが解けていない』と言ったり。私としてはチャンピオンがそれでいいのかな?」と首をかしげる。
ワールド王座を1年以上保持し、〝詩美色〟に染めた自負があるからこそ出てきた言葉だった。
その赤いベルトには、同じ26日大会で王者の朱里がジュリアの挑戦を受ける。ところが、ジュリアは元アイスリボン勢5人のハードコア&デスマッチユニット「プロミネンス」との抗争が続き、決戦前に朱里との決別を示唆するなど不穏な空気が流れている。
団体最高峰王座がかかる一戦とは違う方向にベクトルが向いている感じも否めず、詩美は「(ジュリアが)プロミネンスを気になってしまう理由も分かりますが、前王者としてはそっち(王座戦)に集中してもらわないとという気持ちもあります」とチクリ。「私と上谷の試合がワールド王座を超えるような試合をやって、朱里に焦りを与えたいですね」と続けた。
もちろん、ワンダー王座奪取後の青写真も描いている。「私が取れば確実にただの白いベルトにはならない」とした上で「スターダムで最も価値があるベルトにできる自信がありますし、そういうベルトにしていきたいと思っています」ときっぱり。過去2度の挑戦は失敗に終わったが、〝三度目の正直〟で大きな野望につなげるつもりだ。