埼玉・戸田市長選(20日投開票)が13日告示され、電撃出馬した歌手のスーパークレイジー君(35)が戸田公園駅前で第一声を行った。
 
 スーツ姿でマイクを握ったクレイジー君は「先週、戸田市議会を追い出され、今日、市長選に立候補した。急きょだったんで、スタッフを集め、印紙張りやポスター張りなど選挙を経験したことがないスタッフもいた中、短期間でこの場に立てました」と切り出した。

 昨年1月の戸田市議選で当選したクレイジー君は選挙前に3か月以上の居住実態がなかったとして、選挙管理委員会から当選無効を言い渡され、この1年、争ってきたが、今月4日に最高裁で上告棄却となったばかり。バッジを失って、わずか9日後の市長選で立候補にこぎつけた。

 市長選は当初、現職の菅原文仁市長の無投票当選になるとみられていた。クレイジー君は「他の団体が擁立できずに無投票になる。今の市政に対し、全員が100%(支持)ならいいが、街を歩くたびに『無投票は嫌だ』『選ぶ権利はないのは嫌だ』といわれた」と話し、立候補した意義を強調した。
 
 負け戦は覚悟のうえだが、売名目的でも道化師になるつもりもない。

「1票1票では勝てない。1人が3票、5票になれば不可能ではない。盛り上げるという言い方は失礼だが、注目する選挙をやっていきたい。戸田市民で投票に行くのは約4万人で、約7万人が票を捨てている。残りの7万人、興味がない人たちの心を動かしたい。歴史に残るような選挙にしたい」とクレイジー君は真顔で訴えた。