地元のフィーバーは終わらない。大相撲春場所初日(13日、大阪府立体育会館)、新大関御嶽海(29=出羽海)が幕内逸ノ城(28=湊)を押し出して白星発進した。3回目の優勝と大関昇進を決めた初場所後に新型コロナウイルスに感染したが、上々の滑り出し。取組後は報道陣の取材に応じず、2日目以降へ向けて集中力を高めた。

 雷電以来227年ぶりの新大関誕生にわく地元・長野では盛り上がりが継続中だ。御嶽海を小学生のころから応援する地元後援会幹事長の村上智昭氏は、経営するムラカミ自動車(塩尻市)で今月1日から昇進記念展を開催。所蔵する御嶽海の少年時代からの写真や賞状、トロフィーなどを公開している。

 同氏は「ファンの方に見ていただくため会社の事務所の一角にコーナーを設けている。反響はすごい。多い日には数十名ほど来場される。今も来られていますよ。優勝もして、いい形で昇進できてよかった」と喜びながら、ひっきりなしの対応に追われている。

 御嶽海ゆかりの場所も〝名所化〟している。大関昇進伝達式の際は「自分の持ち味を生かし」と、母校の長野・木曽福島中(現木曽町中)の石碑にある文言を口上で述べたことで話題となった。同校の後田高幸教頭は「町外から『御嶽海関のファンなんです』『ぜひ見せてもらえませんか』と(石碑を)写真に収めていかれる人が来られました。把握している限りでも一日に3、4組」と見学者が続々と訪れていることを明かした。

 もちろん、御嶽海は「まだ一つ番付(横綱)がある。そこを目指して頑張りたい」と語っているように、大関で満足しているわけではない。さらなる活躍で、地元を盛り上げていくつもりだ。