悔しさをばねに覚醒だ。巨人の戸郷翔征投手(21)が16日に行われた春季教育リーグ・楽天戦(ジャイアンツ球場)の8回から救援登板し、2回無失点の3奪三振と好投した。

 最高の形で調整登板を行った。この日最速154キロを記録した直球を武器に力強く打者を攻めこむと、1イニングス目を打者3人でピシャリ。続く最終回も2者連続奪三振を含む三者凡退に抑え込むなど、猛アピールに成功した。

 自慢の直球が勢いを取り戻した格好だが、戸郷本人も「やっと出力が出てきた。制球はまだまだでしたけど、そこに照準を合わせていたので、ある程度出力の出し方はできていると思います」と手応えを実感。

 ここまでの課題とそれに対する右腕の取り組みが実を結んだ格好だ。「キャンプで出力が出なかったのが一つの心残りだったので、二軍に落ちたので、それを機に良い出力を出せたらと思いながらやってた中でここ2試合いい感じだった」。もちろん、二軍の結果で満足する投手ではない。「前回の試合より球速も早くなってますし、だいぶ感覚も良くなっていますので、あとは(一軍昇格へ)照準を合わせるだけじゃないかなと思います」と、早期の再合流を意気込んだ。

 若き右腕はシーズンを戦い抜くためには欠かせない戦力。万全な状態にして、一刻も早く本来の立ち位置へと戻りたいところだ。