初代タイガーマスク率いる「ストロングスタイルプロレス」は17日に、昨年12月31日に死去したストロング小林(本名小林省三=享年81)さんの追悼興行(東京・後楽園ホール)を開催した。

 追悼セレモニーには新間寿会長、初代虎らが出席。会場のスクリーンに、1974年3月19日に蔵前国技館で行われた当時のNWF世界ヘビー級王者・アントニオ猪木との試合映像が流れると、新間会長は「私のプロレス人生で最高の試合でした」と率直な感想を語った。

 小林さんと猪木氏の一戦は「昭和の巌流島」と呼ばれた。新間会長は「タイガーマスクを生み、多くの人々(レスラー)を生んだ原点がこの試合でした」とその重みを実感。小林さんについては「たぐいまれなる力がありながら人の悪口を言わない。しかし、リングに上がったときには燃える闘魂をしのぐ闘魂がありました」と振り返り、別れを惜しんだ。

 本紙からは小林さんが71年8月2日にIWA世界ヘビー級王座で2度目の防衛に成功した際のパネルを贈呈。遺族を代表してセレモニーに出席した妹の小林さち子さん(73)は「ストロング小林最後の花道をつくっていただき本当にうれしいです。本人も喜んでいると思いますし、レスラー冥利に尽きると思います」とコメントした。

 さらに「亡くなってからいろんな話を聞いたり、SNSでファンの方が語っているのを見ると幸せなプロレス生活だったんだなと思います」と語った。

 さち子さんは「小林省三としてはつまらない兄貴として見ていたんですけど、こうしてお褒めの言葉をいただき、いいプロレス人生を送ってきたんだなと思いました」と〝家族目線〟での印象も明かしつつ「知りえなかった兄の姿を見られた気がしました。皆さんあってのストロング小林でした」と感謝を述べた。

 関係者やファンの気持ちは、天国の小林さんに届いているに違いない。