絶対に負けるわけにはいかない。開幕投手に指名されている中日・大野雄大(33)が、3・25開幕戦での巨人・菅野智之(32)とのマッチアップに闘志を燃やしている。

 オープン戦最終登板となった18日の楽天戦(バンテリン)は先発で3回3安打無失点。オープン戦4度の登板で防御率1・93と安定した内容を見せてきたエースは「開幕戦は緊張すると思うが、自分が一番最初にマウンドに立つので、こういう形で1年間戦っていきますというのを見せられればいいし、気合マックスで炎のピッチングをしたい」と意気込む。

 開幕投手は今回で4度目となるが、巨人戦に限れば2度目。前回2017年はWBC明けの菅野ではなく、マイコラスとの投げ合い。大野雄には「すごく気合入って楽しみにしていましたが、そうじゃなかった。今度は菅野投手なので絶対に僕が勝ちます」との積年の思いがある。

 この日は毎回得点圏に走者を背負う苦しい投球となった。それでも大野雄は「ピンチが多かったが、いい練習になった。菅野投手と投げ合うのに先に点をやっては苦しい展開になるのは間違いないので、そういうことをマウンドで意識しながら絶対にやらへんぞと、ゼロで乗り切れた」とすっかり自信もつけた。

 チーム関係者も「投手キャプテンである大野が菅野に並々ならぬ対抗心を燃やしてくれるのは本当に頼もしい。今年は巨人との金、土、日曜のカードが前半戦で5回もある。開幕戦で大野が相手エースの菅野を圧倒する投球を見せてくれれば、チームもそのまま乗っていけるはず」と期待を寄せている。

 20年は菅野との一騎打ちを制して初の沢村賞に輝いた。今年も幸先よくエース対決に勝ち、弾みを付けたいところだ。