ついに王手だ。大相撲春場所12日目(24日、大阪府立体育会館)、大関正代(30=時津風)が大関貴景勝(25=常盤山)を寄り切って7勝目(5敗)。カド番脱出まであと1勝となった。

 立ち合いで激しく当たり、その後は相手の重心を高く保ちながら圧力をかけ続ける電車道。取組後は「立ち合いから右がのぞいたんでよかった。今場所では一番いい立ち合いができた」と手応えを語った。場所前の新型コロナウイルス感染による調整遅れが顕著に表れ、初日から4連敗。最悪なスタートで大関陥落のピンチを迎えたが、立て直して6連勝となった。

 特に2場所ぶりの大関戦、さらに過去5勝10敗の苦手な相手に勝利で、カド番脱出を一気に引き寄せた。正代は「体がよく動いて反応もできているので流れはいい。千秋楽まで続けられたら」と気を引き締めた。