阪神・藤浪晋太郎投手が25日の開幕・ヤクルト戦(京セラドーム大阪)に先発登板し7回を6安打3失点。5点をリードした状況でマウンドを降り、今季初登板初勝利は間違いないと思われたが、2番手以降の救援陣3投手が2イニングで合計7点を失う大誤算で8―10の逆転負け。右腕にとっては残酷な結末で、白星がスルリとこぼれ落ちた。

「調子が決して良いわけではなかった」と藤浪も振り返った通り、立ち上がりの初回からヤクルト打線に攻められ先制の1点を献上。だがその後は粘り強く立ち直り、再三走者をため込みながらも7イニングを110球で投げ切る粘りの投球を披露。「先発として最低限の仕事はできた」というコメントからも、大役を全うした矜持がにじみ出る。

 ゲームは8―7と1点をリードした最終回に、新守護神のケラーが3点を失い逆転を許した。この瞬間に藤浪の勝ち星は水の泡と消えたが、背番号19は最後まで逆転勝利を信じ、9回裏までナインたちへベンチから声援を送り続けた。

 矢野監督は試合終了後「開幕というのはどうしても気負うし力むものだが、その中で落ち着いて投げていたなという印象。良く投げてくれたなと」と藤浪の力投を評価。長丁場のシーズンは始まったばかり。この悔しさを晴らすチャンスは、まだまだいくらでもある。