【森保ジャパンはなぜ苦戦したのか(3)】衝撃的な敗戦を喫した昨年9月の初戦オマーン戦。主将を務めるDF吉田麻也(33=サンプドリア)は〝敗因〟の一つとして自身の役割を挙げている。「いい雰囲気に持っていくということが僕自身足りなかった。僕自身の熱量が足りなかったと反省している」

 吉田は2018年ロシアW杯終了後に代表引退を表明したMF長谷部誠(Eフランクフルト)の後を継ぎ、森保一監督から主将に指名された。12年ロンドン五輪で主将を務めるなど以前からリーダーシップには定評があり、実際に森保ジャパンの主将に就任してからもピッチ上で力強くキャプテンシーを発揮しつつ周囲の選手への気づかいも怠らず、W杯2次予選がスタートしてからもチームを一つにまとめ上げていった。

 ただ、最終予選に主将として臨むのは初めて。重要な初戦を迎えるにあたって、吉田は自身の役割を全うできなかったと反省したのだ。

「雰囲気づくりが大事だなと。そこはチームをつくり上げていくうえでも大事になる。短い時間で所属チームと代表チームで頭の切り替えも必要になるし、やっぱり最終予選は今までやってきた2次予選とは違う試合なんだということ。やっぱり頭では分かっていても、いざ試合になって全然だめだったじゃ許されない。初戦で結果が出ない、これは結構繰り返していると思う。ロシアW杯前の予選でも、ザックさんの時も初戦は苦しんだ。そこのところの気を引き締める雰囲気に持っていくということが足りなかった」と吉田はオマーン戦の敗戦後に振り返っている。

 世代交代が進み、オマーン戦の出場メンバーは半数以上が最終予選初出場。チームをけん引する立場で、最終予選に臨む〝心構え〟を十分に植え付けられなかったことが大きく響いた。