東京五輪女子ソフトボールで金メダル獲得に大きく貢献した若き左腕・後藤希友投手(21=トヨタ自動車)が確かな成長ぶりを見せた。

 今季発足した女子ソフトボールの新リーグ「JDリーグ」が28日、ZOZOマリンスタジアムで開幕。ビックカメラ高崎との一戦で先発を任された後藤は、4回無失点の好投を披露し、チームも1―0で初陣を飾った。試合後には「不安の方が大きかった。悪いイメージが残っていたが、今日はすごいいい形で入れた。(切石結女捕手と)『やったろうぜ!』って話をしていたので、それが今日は実現できた」と笑みを浮かべた。

 長年日本をけん引してきたレジェンド・上野由岐子投手(ビックカメラ高崎)の後継者として期待のかかる後藤。「一歩でも近づけるように、いつも日々練習をしている」とさらなるレベルアップを目指していた成果が、この試合で垣間見えた。

 0―0の3回裏に一死二、三塁のピンチを迎えた後藤は「もうダメだって思いかけたが、前を見たら切石さんが『来い』って顔をしていたので、思い切って投げられた」とギアチェンジ。1番市口侑果、2番藤本麗を内野ゴロに打ち取り「3回の守備で0点に抑えられたことが何よりもチームに流れを持ってこれたかなと思う。そこは今日だけ自分を褒めたい」と声を弾ませた。

 女子ソフトボールは、次回のパリ五輪で採用競技から除外された。盛り上がりを維持するためにも「JDリーグ」の認知度向上は必要不可欠だからこそ、言葉にも覚悟がにじみ出ていた。

「JDリーグを通じて今後このリーグでプレーしたいと思う小中学生が1人でも増えるように、全力でこなすだけ。少しでもソフトボールを見たいと思ってもらえるように、思い切り楽しんで全力でプレーしていきたい」

 まさにエースの振る舞い。今後の女子ソフトボール界は後藤希友が引っ張っていく。