【アリゾナ州フェニックス発】エンゼルスの大谷翔平投手(27)は31日(日本時間1日)にブルワーズとのオープン戦に今季初のリアル二刀流となる「1番・投手」で先発出場し、投手では3回1/3を投げ、2安打3失点(自責点2)、4三振3四球だった。打者16人に65球。白星がついた。打者では3打席目に3試合連続安打となる右前打を放ち、3打数1安打1打点だった。5回に代打を送られた。チームは10―5で勝った。
オープン戦2度目で最終登板だった。「最後の登板をしっかり予定通りこなせたのはまず一番よかったところだと思うので、スムーズにシーズンに入れるかなと思います」と手応えを口にした。
2点のリードをもらって初回のマウンドへ。先頭ウォンに右前打を許し、続くケーンは外角への変化球が抜け気味でフルカウントから歩かせた。3番イエリチの二ゴロで一死一、三塁。4番マカチェンは一邪飛に仕留めたものの、5番アダムズにカウント1―2から外角の甘い変化球を捉えられ左翼線を破る同点2点二塁打。6番テレスを一ゴロに片付けてこの回を終えた。直球はMAX98マイル(約157・7キロ)を記録したものの、多投したスライダーの制球が定まらなかった。
2回は先頭レンフローを左翼手アップトンの好守に救われて左飛。8番ナルバエスはフルカウントからフロントドアの内角スライダーで見逃し三振。9番ピーターソンはこの日、最速の99マイル(約159・4キロ)の直球で空振り三振。3回は先頭ウォンを左飛、ケーンは2球で追い込みスライダーで見逃し三振。イエリチは遊直と8球で終えた。
4回は先頭マカチェンを四球、アダメズはスライダーで空振り三振に仕留めたが、テレスの平凡なゴロを併殺を焦った二塁手のメーフィールドがお手玉して一死一、二塁。レンフローを歩かせたところで球数が予定の65球となり、降板した。マドン監督は「すごくいい状態。開幕戦では80から90球」と高評価だ。
オープン戦の登板2回で開幕は調整期間は短い。大谷は「不安は全員あるんじゃないかと思う。みんな一緒だと思えば、特に自分だけできなかったなというのはないですし。フィジカル的にも去年よりいい状態で、僕的には入れている。特にそういう不安はないかなと思います」とポジティブに捉えていた。
相手先発はメジャー通算21勝の左腕ローレン。初回先頭は2ストライクからの3球目、外角の変化球にバットを合わせるも中堅へ抜けようかというゴロは大谷シフトで一、二塁間を守っていた三塁手に捕球された。
2―2の2回一死三塁は二ゴロに倒れるも三走が生還し、勝ち越した。4回二死無走者は変化球を振り切り、右前に運んだ。
敵地のファンも期待したであろう一発は出なかったが、打撃も順調だ。「今日はそうですね…、甘い球も結構ありましたし、セカンドゴロなんかも、僕の中では打ち上げているボール。投げていてもそうですけどね。自分がミスしたなと思っているボールが一番打てないボールになったりするので。そういう微妙なところだったと思います」と説明した。
7日(同8日)のアストロズとの開幕戦は開幕投手を務め、おそらく1番打者として出場する。マウンドで三振の山を築いて、自らの本塁打で試合を決める、そんな歴史的瞬間を目撃できるかもしれない。待ち遠しい。
<「大谷ルール」今季から導入>米大リーグ機構(MLB)と選手会は31日(日本時間1日)に昨年のオールスター戦で特別に採用された打順に入った先発投手が降板後もDHで出場を続けられる新ルール「大谷ルール」を今季から導入すると発表した。大谷が降板後、一時的に適用され、守備位置が「投手」から「DH」となったが、5回一死一塁で代打を送られ、打席に立つことはなかった。大谷は「それ(新ルール)はありがたいなと思います、個人的にもチーム的にも。アグレッシブに攻められると思うので、ピッチャーの方でもバッターの方でも。よりその後を考えずにというか、そういうふうに対応できるかなと思うので思い切って最初から飛ばして行けたらなと思っています」と歓迎した。