新日本プロレス3日の浜松大会で、ユナイテッドエンパイアのグレート―O―カーンが平常運転に戻った。

 オーカーンは3月29日に神奈川・川崎市内のJR武蔵小杉駅構内で泥酔した男性に迷惑行為を受けていた女児を救出。事件解決に協力し、神奈川県中原警察署で感謝状が贈呈されることが決まっている。また救出後の女児に「怖かったよな。パンケーキあるけど食うか?」と呼びかけ恐怖心を和らげていた〝神対応〟も話題になり、各方面から称賛の声が相次いだ。

 ストップ高レベルに株が上がってしまい迎えたシリーズ開幕戦のこの日は、ジェフ・コブ、ウィル・オスプレイ、アーロン・ヘナーレと組んで後藤洋央紀、YOSHI―HASHI、真壁刀義、本間朋晃組と対戦。9日両国大会ではコブと組んで後藤、YOSHI―HASHIの「毘沙門」が持つIWGPタッグ王座挑戦が決まっており、その前哨戦に出撃した。

 リングに上がれば残虐非道、対戦相手には容赦しないのがオーカーンの流儀だ。開始早々に奇襲を仕掛け、普段と変わらぬ戦いぶりを見せる。後藤のブレーンバスター阻止すると、相手の首を掴んだ状態からレスリングのテクニックの一つである〝パンケーキ〟で切り返し、足を掴んでの〝パンケーキホールド〟に捕らえた瞬間には「後藤、お前もマックのパンケーキ食うか?」という声が天から聞こえてくるかのようだった。

 最後はコブが本間を沈め、ユナイテッドエンパイアに凱歌が上がった。試合後のリング上でオーカーンは「ひれ伏せ! 静岡の愚民ども! 正義の味方は勝つんだよ!」と言い放ち「正義の味方に拍手をよこせ!」などと観客を恫喝しながら退場した。

 オスプレイからも「女性、子ども、これからは安心して夜道を歩けるな。俺たちの救世主、グレート―O―カーンがお前たちを変態から守ってくれるぞ。今の日本に必要なのは彼のようなヒーローだ」と勇敢な行動を称賛されたオーカーンだが、その視線は完全にIWGPタッグベルト取りにロックオン。

「プロレス界全体がタッグマッチをおろそかにしている。オーカーン革命を起こしたい。ずっとそう思ってきた。イギリスで生まれた時から、シングルマッチとタッグマッチで戦い方もコスチュームも変えてきた。そこまで毘沙門のヤツらは考えているのか? 武器を持ち込んで、正義の味方ヅラをして、人を太鼓に見立てて殴ったり、卑怯者の悪者みてえな考え方しかしねえだろ。つまりだ。チャンピオンにふさわしいのは、余たちである」と豪語していた。