8日から公開の映画「チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~」にも出演する、劇団EXILE町田啓太(31)を、本紙インタビュー企画「日曜日のヒーロー」で取材した。

記者が、じっくり話を聞くのは2回目。今回の取材は、多忙なスケジュールの合間をぬって行ったが、1つ1つの質問に対して丁寧に応対してくれる姿が印象的だった。

役者デビュー10年の節目を迎えているが、これまでの道のりは、平たんではなかった。もともとダンスでLDHに入ったが、初出演の舞台で大けがを負ったことをきっかけに、アーティストの道は断念。役者1本で活動する中、14年にNHK連続テレビ小説「花子とアン」で、吉高由里子演じるヒロインの義弟役を演じ注目を浴びたが、一気に火がついたとするならば、やはり20年のドラマ版のチェリまほ(30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい)になるだろう。

今回のインタビューでも、これまでの役者人生を「ちょっと腐りかけながら、砂利道を歩いてきたような感じだったと思います。でもその中で、やる意義を見いだしたり、意識も変わって、自分自身にすごく合ってるんだなと思えるようになりました」と振り返った。地道にやり続けてきたからこそ、出てくる言葉だと感じた。

コメントを寄せてくれた大学の同級生で、同じLDHに所属する関口メンディー(31)も「内なる炎は常に燃えているタイプ」と称した。端正な顔立ちや、物腰の柔らかさからは容易には想像できないが、つまずきから始まった役者人生が、今こうして充実し始めているのも、まさに心の中でメラメラと燃え続けてきたから。今後年齢を重ねるにつれていろいろな役を演じていくだろうが、心の炎を燃やしながらも、にじみ出る優しさと、謙虚な姿勢で、どこか視聴者に寄り添ってくれる役者に、さらに進化していく気がしてならない。【大友陽平】