お笑いコンビ「メイプル超合金」のカズレーザーが8日、「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、ロシアの新興財閥「オリガルヒ」の有力者が欧州でテレビ局を買収しプロパガンダ工作を計画していたことについて言及した。

 米司法省によると、ロシアの有力者のコンスタンチン・マロフェーエフ氏は2013年、米「FOXニュース」の元ディレクターと契約し、ロシア国内にケーブルテレビ局を設立。その後、ギリシャやブルガリアでテレビ局買収を計画し、実現はしなかったとしている。

 マロフェーエフ氏は14年のクリミア併合の際、主導的な役割を果たしており、今回のウクライナ侵攻についても「聖戦」と称している人物。米司法省は「世界的なロシアの悪質な活動に対抗する」としている。

 番組MCの俳優・谷原章介は「忘れちゃいけないのは日本というのは西側の情報があふれていますので、ロシア側からの視点の報道というのはなかなかない。フェイクニュースは別として。ただ驚いたのはロシアが組んだ相手が米国の保守的なFOXテレビのディレクターだったのはどう思います?」と話を振った。

 これにカズレーザーは「もちろん、お金さえもらえば動く方は世の中いくらでもいるわけで、どんな形でどういう海外資本が入っているかというのは、フジテレビだって外国資本の比率がちょっとオーバーしちゃった件がこの間、あったじゃないですか。どういう形でお金が入っているかは徹底調査しなくちゃいけないんじゃないですか」とフジテレビの問題もきっぱり語った。

 フジテレビなどを傘下に持つ「フジ・メディア・ホールディングス」は昨年4月、「2012年から14年の間、放送法が定める外国人等の議決権比率が20%を超えていた」と認め、謝罪していた。

 一方、フジテレビの解説委員・風間晋氏は「マロフェーエフ氏らが不法行為をやっていたわけでないと思われるので、そういう意味では(米司法省による)逆プロパガンダ的な要素というのがあるのかなとも思いますね。おもしろいなと思ったのはギリシャとブルガリアという黒海から地中海に出る沿岸国を(買収するテレビ局の)対象にしているところがロシアの意図を感じる」と見解を語った。