「ラブひな」や「魔法先生ネギま!」などのヒット作をもつ漫画家の赤松健氏(53)が8日、漫画「笑ゥせぇるすまん」や「オバケのQ太郎」などで知られる漫画家の藤子不二雄A(本名・安孫子素雄)氏の死去を悼んだ。

「藤子A先生は、私が審査員をやっていた講談社漫画賞の授賞式だけでなく、2次会に来てくださいり、若い世代の漫画家を激励してくれて、陽気で楽しく優しい先生で、みんな大好きでした」と語った赤松氏は、藤子A氏とのマル秘エピソードを披露した。

「絶対に滑らない〝持ちネタ〟がありましたね。映画『少年時代』は、藤子A先生が出資して作った映画なんですけども、(同映画のために)曲を(ミュージシャンに)依頼して、自身で歌詞も書かれたんですね。でも曲が出来たらまったく採用されなかった。みんなに『俺の歌詞が一文字も入ってないんだよ』と言って、笑わせたんです」

 赤松氏は藤子A氏の好きな作品として1972年に発表された「魔太郎がくる!!」「ウルトラB」を挙げた。

「『魔太郎』は、ライバルの赤ちゃんがいて、藤子A先生は赤ちゃんに恐怖を感じるんじゃないかと思いましたね。『ウルトラB』は、サングラスをかけた赤ちゃんがね、超能力を使っていろいろ変なことをする。A先生は、赤ちゃんが怖いというのは特別な感情ですよね。われわれにない視点の持ち主で〝カリスマ〟でした」と故人をしのんだ。