夢はデッカい。WBO世界フライ級タイトルマッチ(9日、さいたまスーパーアリーナ)で2度目の防衛を果たした無敗の王者・中谷潤人(24=M・T)が一夜明けた10日、神奈川・相模原市の同ジムで日本人初となる6階級制覇への夢を語った。

 前日の試合では多彩なパンチ、戦術を繰り出して挑戦者の山内涼太(角海老宝石)を圧倒。8ラウンド(R)TKOで下し、プロ23戦全勝(18KO)と無敗を続けている。もはやフライ級で敵ナシの状態。そこで中谷は階級を1つ上げてスーパーフライ級の挑戦を狙っている。

 同じWBOの世界スーパーフライ級王者には井岡一翔(志成)がいるが、中谷は「そういったところも意識はありますけど、WBCのベルトが欲しいので」と、WBAスーパー&WBCフランチャイズ王者のファンフランシスコ・エストラーダ(メキシコ)に照準を絞る。だが、王者の野望は果てしない。

「複数階級。体が大きいので、階級に上げていきたい気持ちがある。スーパーフェザー級までは身長的にはいける。そこまでいけるよう精進したいと思います」

 身長171センチを生かした6階級制覇。仮に実現すれば、オスカー・デラホーヤ(米国)、マニ・パッキャオ(フィリピン)と肩を並べる大偉業となる。中谷は「順調に来れているので、自信を持ちながら着実に、今までやってきたようにやっていきたい」と冷静に未来を見据えている。

 現在は「9キロオーバーを保っている感じ」と減量がきつい状況。しかし中谷は「1回、スーパーフライの契約でやらせてもらって、その時の体の力はすごく感じている」と階級を上げたときのパフォーマンスに手応えを感じた。階級を上げて適正を模索し「体と相談しながら」挑戦を続けるつもりだ。