次世代へバトンタッチだ。スピードスケート女子平昌五輪５００メートル金メダリストの小平奈緒（３５＝相沢病院）が１２日、長野市内で会見を行い「今年１０月の全日本距離別選手権を競技人生のラストレースにします」と報告した。

　昨夏から引き際を考えていた小平は「五輪周期で決めているわけではないが、自分の人生を次に進めるにはいい頃かなと考えた」と回想。体の状態は「まだまだ滑り続けることはできる」というが「スケートを続けていく中で、私の人生をスケートだけで終わらせるのは疑問に感じていた。このぐらいが自分にとっていいんじゃないかなと、自分にゴールラインを決めました」と神妙に語った。

　ラストレースに選んだのは、小平が生まれ育った長野で開催される全日本距離別選手権。「最後に自分のスケートを表現するのは、地元の信州。育ててもらった信州でラストレースをしたい」と胸中を明かした上で「長野で滑れる全日本が魅力だったし、次の世代にバトンタッチするのもいい機会だと思った。１０月まではアスリートとしてトレーニングをしながら、地域講演会やイベントに参加したい」。ラストレース後は「氷のあるうちに、ジュニア世代の子供たちと一緒に滑る機会に恵まれるといいな」と展望を語った。今後については「トップスポーツにかかわるというより、地域貢献という形で皆様に貢献できたらと考えています」とコメント。

「人生を彩り豊かにしたい」との思いで歩みを進めてきた小平。まずは１０月の大一番で信州の方々に感謝の気持ちを届ける。