松坂桃李(33)が13日、東京・イイノホールで行われた広瀬すず(23)とのダブル主演映画「流浪の月」(李相日監督、5月13日公開)完成披露試写会で、宿命の存在について聞かれ、18年に亡くなった樹木希林さんの名を挙げた。

また劇中で自身が演じる役の母親役を、樹木さんの娘の内田也哉子(46)が演じることが決まった時「ものすごい縁を感じましてゾクッとした」と語った。

松坂は、樹木さんの名を書いたフリップを手に「宿命って何だろうって? 切っても切れない…ちょっとズレれるのかも知れないですけど、僕が初めて単独初主演映画におばあちゃん役で出てくださっていて」と振り返った。作品の具体名は挙げなかったが、12年の映画「ツナグ」を指していたとみられる。

松坂は「お芝居を始めて間もない頃で、いろいろ言われたんですよ。お芝居含め『人というのはね』というところまで発展し…」と樹木さんとの共演を振り返った。その上で「撮り終わって、宣伝も単独主演ということもあって、僕1人で頑張ります、というところにも希林さんが全部、ついてきてくださった。『私も行くわ』と」と、樹木さんが演技から宣伝までサポートしてくれたと明かした。さらに

「あんたね、しゃべる前に『あー』とか『えー』とか、言わないの!」

「あとね、記者の方がたとえ同じ質問をしても、同じ返しなんて、しちゃダメだから。毎回、違う答えを出して、やらないと見ようと思ってくれないから」

と、樹木さんから言ってもらった言葉を紹介し「こういうスタンスの方、いいんじゃないの? と教えて頂いた」と感謝した。

松坂は「流浪の月」で、広瀬演じる家内更紗が10歳の時に、誘拐事件の“被害女児”となった、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文を演じ、その文の母を内田が演じたことについて「月日が流れて…お母さん役が也哉子さんと決まった時に、ものすごい縁を感じましてゾクッとした」と感慨深げに語った。その上で「ある種、何とも言えない感情が、僕の中に巻き起こっている瞬間があって。一言では言い表せないような気持ちになって…フリップに書かせていただきました」と続けた。

松坂は最後に「今だったら何て言うんだろう? というふうに思ったりしますね」と、樹木さんに語りかけるように口にした。