川崎競輪のGⅢ「開設73周年記念」(桜花賞・海老澤清杯)が14日に開幕。地元の熱きファイター内藤秀久(40=神奈川)は一次予選9Rを制して白星スタートを決めた。

 桜花賞が盛り上がるには、この男の活躍が不可欠だ。初日は野口裕史(38=千葉)の番手回り。「気持ちが伝わってきた」と頼もしい目標の赤板先行に乗ってきっちり抜け出した。

「余裕はあったけど、地元なのか緊張感があってフワフワしていた。2日目からはもっと気合を入れなきゃですね(笑い)」

 今年序盤は伸びを欠くなど、らしくない走りが続いていたが、ピッタリと地元記念に照準を合わせてきた。

「自転車の感じはすごくいい。今回は最終日に(調子のピークが)くるように若干オーバーワークで入ってきたけど、前検日に同部屋の青野(将大・27=神奈川)に足を踏んでもらったりマッサージしてもらったりしたおかげでもう(疲れは)大丈夫。これから日に日に良くなるはずです」

 好感触での1着を喜ぶ一方で「青野(の一予敗退)は正直ショックでした…」と自身のために時間を割いてくれた後輩のことを思い一瞬、複雑な表情に。〝青野の分まで頑張る〟と内藤の熱量は増したことだろう。

「(レース直後の)今は正直ホッとしているけど、目指すところは決勝での勝ち負けなので。クールダウンからは、明日、あさって、しあさってを見すえて集中していきますよ!」そう話す内藤の眼はギラギラと光っていた。