ロシアのタス通信は14日、ロシア軍の潜水艦が、日本海で巡航ミサイルの発射実験を行ったと伝えて衝撃が走っている。

 訓練中のロシアの太平洋艦隊が最新の潜水艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」と「ボルコフ」から2発の巡航ミサイル「カリブル」を発射。海上に設置した敵船を想定した目標に命中したとしている。

「カリブル」は最大射程距離2000キロメートルに達するという。ロシア軍の演習には、15隻以上の艦船や航空機も参加。ウクライナへの軍事侵攻をめぐって、日本がロシアへの制裁を強めるなか、けん制する狙いがあるとみられる。

 この日、日本海では米海軍と自衛隊が米原子力空母「エイブラハム・リンカーン」などを中心に合同訓練を実施していた。

 ロシアが経済制裁を行う日本政府に対してけん制した背景には、バイデン大統領が先月26日にポーランドを訪問した際、プーチン大統領に対し「この男をいつまでも権力の座にとどまらせておいてはいけない」との発言が「引き金のひとつになった」と見られている。

「ホワイトハウス当局者は、すぐさまプーチン政権の転覆を意図していないと釈明したが、バイデン大統領自身が発言を撤回せず強気な姿勢を崩さなかった。プーチン氏はバイデン大統領の口から出てしまった言葉の解釈を『本音だ』と受け止めて怒らせてしまった」(日本の政府関係者)

 日米とロシアの外交関係はストップした状況が続いている。