俳優の谷原章介がMCを務める「めざまし8」(フジテレビ系)で15日、米国の電気自動車大手「テスラ」のCEOイーロン・マスク氏がツイッター社に買収を提案し、ツイッターが買収防衛策で対抗することを決定したことに言及した。

 マスク氏は430億ドル(約5兆3800億円)での完全買収を提案したことが14日、わかっていた。これに対し、ツイッター社は新株を発行し、現在筆頭株主であるマスク氏が持つ9%の持株率を下げ、買収を防ぐ「ポイズンピル」で対抗すると米メディア各社が報じた。これにより、マスク氏が買収を実現するにはより多くの資金が必要になる。

 谷原は「筆頭株主でもあるマスク氏をツイッター社は取締役にも加えてましたが、この動きはいかがでしょう」と話を向けると、フジテレビ解説委員の風間晋氏は「そもそもマスク氏はなぜツイッターを買収するの?という理由の部分で、マスク氏の主張として伝わっているのが、これです」とコメントを紹介した。

「ツイッターは世界の言論の自由の基盤になりうるが、今のままでは社会的責務を果たせない。私が会社の潜在的な可能性を引き出す」

 風間氏は「そう言っているわけですが、ツイッターといえば今では、個人にとっても政府、会社にとってもコミュニケーションツールとして不可欠なくらいに普及している一方で、トランプ前大統領のアカウントをツイッター社の判断で無期限停止にしたり、偽情報や危険思想の排除みたいなことを会社の判断でやっているわけですよね。こういう部分に対してマスク氏がどういう考えを持っているのかわからない。だから、彼の買収がツイッターにとって、私たちにとっていいのかどうなのかは情報が少なすぎると思う」と分析した。

 谷原は「確かにツイッター社に対しては批判を繰り返してました。その批判をおさめるために取締役に入れようとしましたけど、結局、そのメディアとしての公平性を担保できるか、できないか、現状わからないなか、マスク氏が買収したとしてもわからないとなると今後どうなるんですかね」と疑問を示した。

 これに風間氏は「しかもマスク氏は今、9%の筆頭株主だけど、このまま現経営陣と話をしても埒が明かないということで完全買収をやろうとしているわけですが、それは話し合う意味がない、オレが一人で決める。そのためにはお金はバンバン使うというやり方はどうなのかな。特にコミュニケーションツールを運営する会社にとってどうなのかなと心配はありますよね」と疑問視した。

 谷原も「確かにそういう姿勢の方が大きなメディアのトップに立って実験を握る。ちょっとそれは怖い気もします。SEC(米証券取引委員会)ともめているという話もあったりします。今後の動きも注視していくべきでしょうか」と私見を語り、風間氏も「大注目ですよね」と応じていた。