◇今垣光太郎(52)福井支部63期

 ボートレース三国のプレミアムGⅠ「第23回マスターズチャンピオン」が19日に開幕する。45歳以上の経験豊富なレーサーたちが激突。デビュー以来、昼夜の別なく「愚直」にボートレースに向き合い、磨き上げてきた〝匠の技〟を存分に駆使してレベルの高いレースを繰り広げる。ビッグレース恒例の直前カウントダウン連載第1回は大会V歴もある地元・三国の今垣光太郎が登場。ボートレースへの熱い思いを語った。

 今垣と言えば3カド――。今大会では、こんな固定観念は捨てた方が良さそうだ。

「そこまで、まくり屋でもないので…。もともと20代後半から30代半ばのころは引っ張らなかった。その時に戻ろうかなとも思っている。今後はカドのイメージはなくして前づけのイメージになると思う」とレーススタイルの原点回帰を宣言した。

「昔は大先輩に前づけに行ってムチャクチャ怒られてました(笑い)。でも、ガンガン前づけに行ってたスタイルがファンに応援されていた。それでオールスターでファン投票1位にもなれた」と振り返るように、もともとは積極果敢にコースを取りに行っていた。

「ここ10~15年はおとなしく枠なり。カドのイメージはあると思うけど、前づけが自分的に向いている。まくるのも好きだけど、深いところから行くのも好き」と、あらためて原点に戻ることを決意した。

 初日ドリーム戦は6号艇で出場。「マスターズ、オールスターでも徐々に前づけに行きたい。マスターズのドリーム戦でも前づけに行くと思いますよ」と不敵な笑みを浮かべる。

 好枠を狙うベテランが多いマスターズだけにコース争いが激化することは必至のシリーズ。そこが見どころであり、今垣も「前づけ選手が多いので進入から気持ちで負けないようにしたい」と闘志満々だ。

 さらに、地元ビッグレースとあって熱い血がたぎる。「地元ですし、気迫あふれるレースをしたい。もちろん優勝だけを目指して頑張りたい。ヘタなレースはできない。気合入れていきます」と闘争心も倍増している。例年以上にコース争いが激しくなることは間違いないだろう。

 近況については「良くも悪くもないです。一般戦でも優勝できていないし、記念では優勝戦に乗れていない。昨年のグランプリシリーズでF切ってからSが遅い。F2は絶対にできない。最近は気持ちいいSが行けてない。マスターズもあまり早いSは行けない」とトーンが上がらない。ただ、その一方で「平均Sはコンマ20。でも、これでは勝負にならないのでコンマ10から一艇身を全速で行きたい」という。

 S一撃が狙いにくい分、好枠を奪って戦いを優位に進める。やはり闘争心を前面に押し出す〝アツい光太郎〟から目は離せない。