最後は〝ガス欠〟だった。体重無差別で柔道女子日本一を決める全日本女子選手権(17日、横浜武道館)、78キロ超級で昨年世界選手権金メダルの朝比奈沙羅(25=ビッグツリー)は準決勝で橋本朱美(27=コマツ)に敗れた。

 初戦の2回戦でゴールデンスコア(GS)の末に勝利を収めた朝比奈はその後も順当に勝ち上がり4強に進出。しかし、本人が「初戦からボロボロの状態でここ(準決勝)まで来た」と振り返るように、準決勝は思うように攻めきれず指導3つによる反則負けを喫した。

 新型コロナウイルスの陽性判定を受けて入院していた朝比奈は、大会1週間前に練習を再開。「体調を崩したことは仕方ないこと」と前を向き、急ピッチで調整を進めてきた。「(組み合わせ上)5試合で優勝と決まっていたので、5本の乱取りを相手を変えたり、ゴールデンスコアを想定してやってきた」

 昨年世界選手権と比べて「(状態を)8、9割まで戻した」と話す朝比奈。だが、不本意な結果に終わり「最後はスタミナの部分で負けてしまった。体調管理も含めて自分の実力かなと。悔しく思います」と唇をかんだ。