パドレスのダルビッシュ有投手(35)が17日(日本時間18日)、本拠地ペトコ・パークで行われたブレーブス戦に先発し、6回2/3を96球、4安打1失点8奪三振の好投。チームは2―1で勝利し、自身も今季初勝利をマークした。メジャー通算80勝となり、日本人投手として通算勝利数は野茂英雄氏の123勝に次ぐ単独2位に浮上した。

 前回登板の敵地ジャイアンツ戦(現地時間12日では1回2/3で9失点KO。だが、この日は昨季世界一のブレーブス打線を相手に見違えるような力強い投球を見せた。初回に安打1本を打たれたが、奪ったアウトは全て三振で無得点。2、3回はいずれも三者凡退とし、上々の立ち上がりだった。

 4回は二塁打と死球で無死一塁二塁のピンチを招いたものの、要所でカットボールやスライダーを組み込みながら後続を断ち切り、その後も6回まで得点を与えずスコアボードに「0」を並べ続けた。

 7回に入って先頭のオスナにソロ本塁打を被弾し、二死二塁となったところで降板。スタンドからはベンチに下がるダルビッシュにスタンディングオベーションが沸き起こった。

 試合を終えた右腕は「前回ひどいピッチングをしたので、きょうはしっかりチームが勝つチャンスを与えることができてほっとしている。結果、数字だけを見たらいいピッチングだったと思うが、最後の3イニングぐらいはコントロールがばらついていたので、もうちょっとしっかり投げたいと思った」とコメント。

 また、日本人投手のメジャー通算勝利数で単独2位となったことには「(1位になるには)あと40年やらないといけない」と述べ、周囲を笑わせた。そして、それまで通算勝利数で並んでいた黒田博樹氏(元ドジャース、ヤンキース、広島)への敬意も忘れず次のようにも続けた。

「黒田さんにはいろいろ助言をいただいた。そういうレジェンドの方にメジャー通算で超えることができたのは本当に光栄」

 リベンジの快投を遂げ、球史に名を刻んだダルビッシュが今後も波に乗っていきそうだ。