メディアアーティストの落合陽一氏(34)が18日、都内で「2025年大阪・関西万博3年前イベント~テーマ事業 いのちの輝きプロジェクト発表会」に出席した。

 公益社団法人「2025年日本国際博覧会協会」は、大阪・関西万博のテーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」の構想をまとめた基本計画を策定。落合氏ら8人のプロデューサーが担当するパビリオン名などが決定した。

 落合氏は「いのちを磨く」をテーマに、「null2」というパビリオンを担当。人類が見たことのない変形建築とデジタルヒューマンの拠点として、未知の風景と未知の体験をもたらすという。

 目の飾りがたくさん付いた衣装で登場した落合氏は「パビリオン内は臨死体験だとも言っている。死ぬということを子供たちにわかってもらいたい。子供の時、僕は死ぬのが怖かった。でも人間は死ぬ時にすら、死ぬことを認識できなくなるということを知った」などと子供時代を回顧。「生きる、死ぬについて持って帰ってほしい」と語った。

 万博は、新型コロナウイルスの感染拡大や、ロシア軍によるウクライナ侵攻によって世界情勢が変化する中、3年後に開催する。

 これに落合氏は「戦争をしていたり、ウイルスがあったりすると、必要に迫られたものの方が、社会に響きやすくなると思う。僕のパビリオンは命を磨くということがテーマで、そうした時に文化ってなんだろうとか」などと述べた。

 さらに「対話の価値、命とデジタルの対象関係だとかが、人々に対して戦争や効率化を求めないところにも、美しいものがあるんじゃないかと気づくきっかけになれば」と意気込んだ。