女優倉科カナ(34)福本莉子(21)が19日、東京・世田谷パブリックシアターで、本年度の同劇場ラインアップ発表会に出席した。

2人は、倉持裕氏作、演出の「お勢、断行」(5月11~24日)に出演する。2年前、新型コロナウイルスの影響で中止になった作品で、希代の悪女お勢を主人公に描く。

倉科は「2年前は悔しかったです。でも『2年後にやりましょう』と言ってくださった劇場の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。2年前の気持ちを糧にして、よりブラッシュアップしたお勢を見せたい」と話した。1週間前に稽古が始まったそうで、倉科は「(せりふは)忘れていると思ったら、意外と覚えていた」としつつ、「悪事を働くのはそれなりのエネルギーがいる。(2年前より)加齢も感じました」と苦笑いした。

初参加の福本は「めぐりめぐって、参加させてもらえることに驚きました。倉持さんの作品に出られること、世田谷パブリックシアターに立てることがうれしいです。若い子たちにいっぱい足を運んでもらえたらうれしい」と話し、「皆さん優しくて居心地がいい。演劇はやればやるほどおもしろい」とした。

今年、同劇場の芸術監督に就任した白井晃氏は「この2年間、人々の心が若干、萎縮してしまった。演劇は危機にひんしているが、劇場が心を復活させ、心を躍動させる場でありたい」と話した。

同劇場では「住所まちがい」(9月26~10月9日)、「夏の砂の上」(11月)、「ハムレット」(来年3月)など、シアタートラムでは「毛皮のヴィーナス」(8~9月)、「建築家とアッシリア皇帝」(11~12月)などが上演される。