反ワクチン団体「神真都(やまと)Q」の自称リーダー・倉岡宏行容疑者(43)が、建造物侵入の疑いで警視庁公安部に逮捕された。同容疑者の父はVシネマなどで活躍する俳優の岡崎二朗(78)で、所属事務所を通じてコメントを発表した。

 岡崎は冒頭「この度は、私の息子が皆様に大変なご迷惑をお掛けし大変申し訳ございませんでした」と謝罪。

 そのうえで「本人には、法律によって厳罰に処され罪を償い、今回ご迷惑をお掛けした皆様にも償いをし、1日も早く更生し社会のお役に立てるような人間になって欲しいと願っております」とつづった。

 そして「被害者の方々には心よりお詫び申し上げます。またご迷惑をお掛けしました関係者の皆様にも重ねてお詫び申し上げます」と再度謝罪し、直筆の署名を記した。

 倉岡容疑者は今月7日、小児への新型コロナウイルスワクチンの接種に抗議するため、東京・渋谷区のクリニックに侵入。同日、同団体メンバーとみられる男女4人が現行犯逮捕された。

 同容疑者は「岡崎礼」の芸名で俳優として活動。2007年には所属事務所関係者を刃物で刺し、殺人未遂容疑で逮捕されていた。

 今回のポイントは警視庁公安部が動いたことだ。反コロナを訴える団体の中でも「神真都Q」は主張の過激さが特徴だった。1月に行われた団体のデモでは、反ワクチンだけでなく「マスクしなくていいんですよ」と反マスクも主張。さらに、「新型コロナウイルスは存在しない!」と言い切るなど反コロナの考えを鮮明にしていた。

 以前から公安がこの団体をマークしていたという。捜査事情通は「オウム真理教化するのではないかという懸念があるのです。だから、公安が背景を調べています」と明かした。

 オウムといえば1995年に地下鉄サリン事件を起こした宗教団体。反ワクチン団体が今以上に過激な行為に出ないかと恐れられているわけだ。

 しかし、事件を受けて変化があったという。公安関係者によると「活動休止という話が浮上しています」と指摘。リーダーの逮捕を受け消滅するのか、それとも…。