究極の〝自己管理能力〟だ。世界最高峰のアクションスポーツ国際大会「Xゲーム」2日目(23日、千葉・ZOZOマリンスタジアム)、スケートボード女子パーク決勝は、東京五輪金メダルの四十住さくら(20=ベンヌ)が初優勝。日本初開催の祭典で女王の振る舞いを見せた。

 決して万全な状態ではなかった。前日の練習で右ヒザを痛めると、この日は4本目のラストトリックの前に足がつるハプニングもあった。春の日差しが体力を奪う中でも、2本目に空中で1回転半する大技「540(ファイブフォーティー)」を成功。「練習であまり乗れていなかったけど、一発で乗れて気持ちよかったです」とはにかんだ。

 湾曲が激しいコースでジャンプなどの技を繰り出す同競技は、たった1度の「ラン」でもかなりの体力を消耗する。そのため、エネルギー補給が重要となってくるものの、試合直前の四十住は「ご飯を食べたら重くなってしまうので、あまり食べないです」と食事の摂取量を制限している。代わりにこの日は「(ロッテの人気商品の)クーリッシュとパイの実を食べました」とお菓子でエネルギー摂取。食事は試合後に多く食べるという。

 昨夏の東京五輪時も「ラングドシャのチョコレート(クッキー)を3枚食べました」と同様の形でパワーをチャージしていた。現代の栄養学的に最も正しい方法と言えないかもしれないが、四十住には合っている模様。自らの体と相談し、己のスタイルを貫く姿勢はまさに女王だ。