フリーキャスターの辛坊治郎氏(66)が25日、パーソナリティーを務めるニッポン放送「ズーム そこまで言うか!」に出演。北海道・知床で観光船が遭難した事故について、意見を述べた。

 知床では、23日に観光船が消息不明となり、乗客の捜索が続いている。

 辛坊氏2013年、太平洋横断中に小型ヨットが遭難し、救助された経験がある。

 辛坊氏は「私、海難事故を経験しているだけにですね、ほんと他人事じゃなくて。これだけの規模の犠牲者の出る海難事故って、10年に1回日本で起きるかどうかっていうレベルの大事故」と指摘した。

 消息を絶った観光船は昨年2回事故を起こし、行政指導を受けていた。

 辛坊氏は「最初に海上保安庁に連絡したのは、船ではなくて、船と運行会社が無線でやりとりをしているのを聞いた別の運行会社が、海上保安庁に連絡したんじゃないのと。運行会社と船の間で、何時くらいからどんな話になっているのかというコアな話が出てきてない。このあたりに、事件の原因を解くカギがありそう」と話した。

 また一部では、船体に亀裂が入っていたという情報もある。「私の常識を含めてしゃべると、船体に亀裂が入っている状況で出航するのはまず考えられない。ありえないレベル。デマだとは言わないけど、写真を撮った人が勘違いしている情報もあるんじゃないかな」と述べた。

 事故現場の水温は、当時5度くらいだったとされている。「水温5度のところだと、何分かで失神します。何十分かでほぼ間違いなく、命が失われる。海に落ちたら終わりなんですよ」と言い、「低体温症の場合、ごくまれではありますが、脳が低温状態で仮死状態になり、死なずにすむということもまれにありますから。完全に希望を失ってはいけないので、発見、捜索が大切です」と語った。