ロシア通として知られる元外務省主任分析官の佐藤優氏が27日、都内で行われた新党大地の「東京大地塾」に出席。ロシアのウクライナ侵攻ついて独自の見解を述べた。

 ロシアの国営天然ガス独占企業・ガスプロムはポーランドとブルガリアに対し、27日からガスの供給を停止すること発表。欧米諸国への揺さぶりと見られている。

 佐藤氏は「1か月前はリトアニアが最も危険だったが、今はポーランドが危ない。ポーランドがウクライナに平和維持部隊を派遣するようにNATOに要請しているほか、ポーランドを介して軍事物資の支援が行われている」と指摘。ウクライナ西部のガリツィア地方はかつてポーランドの領土だったものの、第二次世界大戦直前にソ連に侵攻された歴史的背景があるという。そのため、ポーランドに引きずられるように対決姿勢が強まることにロシア側は神経をとがらせており、最悪の場合には「第3次世界大戦に発展する可能性もある」と警鐘を鳴らした。

 また、佐藤氏はタス通信の報道を引用して、ロシアと米国の対話が完全に途絶えている現状を問題視。「(ロシアの)ラブロフ外相が国営テレビで、1962年のキューバ危機のときでさえ(米ロ間に)対話のチャネルがあったが今はない、緊張していると語ったことは大きい。マスメディアを通じた外交になっているのは危険だと思う」と話した。