「頸髄損傷」を負ったゼロワンの大谷晋二郎(49)を支援する「何度でも立ち上がれ! 大谷晋二郎応援募金」が設立されることが28日に発表され、元女子プロレスラーのライオネス飛鳥(58)がプロレス界に緊急提言した。

 大谷は10日の両国国技館大会で杉浦と対戦。コーナーにジャーマンで投げられた直後に動かなくなり救急搬送された。「頸髄損傷」と診断された大谷には全国のファン、関係者から多くの支援の声が届き、家族・親族と関係者の協議の結果「大谷晋二郎応援募金」が開設された。

 この日の発表会には同募金の応援団長に就任したジャガー横田とともに、飛鳥も出席。「大谷選手はとても良い方で、プロレスに対しても真摯な思いがある方。このようなことになって残念に思いますが、必ず立ち上がってくれると私は信じております」とエールと送るとともに、募金を呼びかけた。

 その一方で飛鳥は今回の事故を受けて「引退した身ですが、私が思うには選手の方々には、プロレスをもう一度見直すべき時なのではないかなと思います」と思いを明かした。「このようなことは絶対に起きてはならないことであり、アクシデントはつきものと私も思っていますが、そのアクシデントをゼロに近い状態にもっていくのがプロの定義なんじゃないかと思ってます。そのための練習であり、プロと言う名のもとにやっていくものなのじゃないかと思うんです」と、再発防止への徹底が必要と説いた。

 さらに飛鳥は「ファンが求めている過激さを提供するのではなく、自分たちのプロレスをお客さまに楽しんでもらう方向に持っていくべき時なのではないかと思います。それを大谷選手が教えてくれてるのではないかというふうに私は思っております。勝手な意見かもしれないですけど、選手の皆さんに考えていただければと思います」と提言。攻防が多様化する現在のプロレスを、一部では〝過激化〟していると見る傾向もある。大谷のような大きなケガを負う選手が出てくるたびに議論が巻き起こっており、今後もさまざまな声が上がりそうだ。