高齢者を狙う特殊詐欺の被害を減らそうと神奈川県警逗子署が今年もアイドルグループ「仮面女子」を起用した特殊詐欺撲滅キャンペーンを開催した。

 横浜市市出身で県警子ども安全キャラクター「おおだこポリス」を務める大鈴はるみ、ほかに美音咲月、橋本友梨英、森下舞桜、木下友里、陽向こはる、宮瀬みあ、涼邑芹の8人が防犯大使&特殊詐欺撲滅大使として4月下旬、JR逗子駅前などでマスクと防犯対策が書かれたチラシなどを配布。乗降客や通行人に警戒強化を呼びかけた。

 特殊詐欺撲滅キャンペーンになぜアイドルを起用するのか? 同署関係者は「たくさんの人に集まってもらいたい。仮面女子さんのファンは中年の方が多いんですけど、その人たちから高齢者に広めていってほしい」と説明する。ちびっ子にも好かれる存在も強みだ。キャンペーンの前には市内の保育園で園児を対象にした「子ども安全スクール」を実施。2代目おおだこポリス・大鈴らメンバーが歌と踊りを交えながら「おおだこポリス4つのおやくそく」を伝えた。

「発信力」も強みだという。「彼女らは見知らぬ場所でのビラ配り、積極的に声をかけていくということに慣れている。また、それぞれの活動をSNSで発信してくれし、その模様を撮影したファンの方たちも拡散してくれる」(同)

 同署関係者は「去年はコロナの影響があって被害が少なかったが、今年になって、還付金詐欺とオレオレ詐欺の件数が増えてきている。神奈川県内はこういう傾向がありますから、各県警によって取り組みが違いますけど、逗子署としては仮面女子さんにお願いしています」と継続起用の方針だ。また、若年層に向けて「融資保証詐欺とか、架空請求とかは若い人も被害に遭いますので気をつけてほしい」と注意を呼び掛けた。