WBO世界フライ級王者の中谷潤人(24=M・T)が2日、神奈川・相模原市役所を訪問し、防衛成功の報告会を行った。

 中谷は先月9日の同級タイトルマッチ(さいたまスーパーアリーナ)で山内涼太(角海老宝石)を8R(ラウンド)TKOで下し、2度目の防衛に成功。プロデビュー以来、無敗の23連勝(18KO)と快進撃を続けている。

 同ジムがある相模原市は中谷にとって第二の故郷。同市在住者による初の世界王座獲得など、相模原の〝顔〟として市民に親しまれる存在となった。市役所本館ロビーに設置された報告会のイベント会場に中谷がベルトを持参して現れると、一般市民から大きな拍手が飛んだ。

 本村賢太郎市長から花束を手渡された中谷は「このような報告の場を持っていただき、市長はじめ関係者の方々に感謝します。応援していただいている皆さんにご報告できることをうれしく思っています」と笑顔で語った。

 報告会では即席の質問コーナーも設けられた。中谷は事前に聞かされていなかったが、参加者から投げかけられた質問にアドリブで回答。「憧れの選手は?」「リカルド・ロペス選手、山中(慎介)選手、長谷川(穂積)選手」、「視力は?」「2・0です」、「息抜きは?」「磯釣りです」といったやりとりで素顔をのぞかせる一方、男性市民から「普段の体重と試合前の体重は?」と問われると減量の話に花が咲いた。

「減量に入る前は58、9キロくらいあり、だいたい9キロくらい落として試合に臨みます。23戦、毎試合が勉強ですけど、自分に合った落とし方を…実戦練習が多くなる前は食事を取りながら落としていく形で減量しています」

 さらに女性司会者から「ダイエットの方法」を問われると「やっぱり代謝を上げるという意味で、運動してバランスのいい食事を取ることが一番ダイエットにいいと思います」と答えた。また、年配女性から「お肉と魚はどれくらいの割合で取られますか?」とピンポイントな質問を受けると、笑みを浮かべて「魚は週1回くらいで、ほとんどお肉ですね。牛肉が多いです。植物性たんぱく質も大事なのでバランス良く」と回答。世界王者による貴重な「食」の話は大いに盛り上がった。

 一方、今後のビジョンについては「フライ級の防衛や階級を上げることなど、いろいろな選択肢があると思う。まだハッキリと決まっていないので相談しながら」と話すにとどめた。