勝負の儀式で勝ち越しを目指す。大相撲夏場所(8日初日、東京・両国国技館)を控えた4日、「昭和の大横綱」大鵬の孫の幕内王鵬(22=大嶽)が東京・江東区の部屋で調整。部屋の幕下以下の力士を相手に相撲を20番取って汗を流した。

 新入幕で臨んだ1月の初場所は10日目に7勝目を挙げながら、5連敗で負け越し。春場所の十両転落を経て、返り入幕を果たした。「(新入幕の場所は)前半戦は良かったので、通用しなかったとは思っていない。あと1番で勝ち越しという気持ちが出て相撲がバラバラになった。しっかり自分の自信のある形で相撲を取っていけたら」と意気込んだ。

 その王鵬には、本場所中に欠かさない〝清めの儀式〟があるという。「朝出る前に、部屋を掃除したり、物を整えたり、帰ってきて洗濯したり…。きれいにして場所に行くというのは、ずっとやってます。(掃除や掃除は)割と好きなほうなので、自分でやる。頻繁に掃除機とか拭いたりとかしています」。十両以上の関取になれば、掃除や洗濯などは付け人に任せるのが通例。王鵬の独自のこだわりがうかがえる。

 今場所の目標は幕内初の勝ち越し。「幕内で2場所目ですけど、まだ勝ち越していないんで。早く勝ち越して、そこから大勝ちを目指せたら」。偉大な祖父に近づくために、目の前にある目標を一つずつクリアしていく構えだ。