3日夜、米ロサンゼルスの野外劇場「ハリウッド・ボウル」に人気コメディアンが勢ぞろいしたイベントで、米俳優でコメディアンのデイヴ・シャペル(48)が武装してステージ上に乱入した男に襲われる事件が起きた。会場は騒然としたが、男はすぐにスタッフらに取り押さえられ、シャペルは無事だった。

 米ニュースサイト「TMZ」によると、逮捕された男は〝ノーネーム〟の芸名でラッパーとして活動しているイザイア・リー容疑者(23)と判明。2020年には「デイヴ・シャペル」というタイトルのアルバムを音楽配信サイト「スポティファイ」で発表していた。犯行の動機については明らかになっていない。

 ロス市警によると、リー容疑者はモデルガンの銃口を改造し、銃剣のようにナイフの刃を装着したものを所持していた。

 TMZが入手した動画には、同容疑者が客席からステージに駆け上がり、シャペルにタックルし、両者は舞台上に倒れ込んでもつれ合う様子がとらえられている。また、すぐにスタッフら十数人がステージに駆け込み、バックステージに逃げ込もうとした容疑者を捕まえ、床にねじ伏せるまでの一部始終が撮られている。取り押さえた男たちの中には司会を務めた米俳優ジェイミー・フォックス(54)も姿もあった。

 同イベントには、エイミー・シューマーや、米アカデミー賞でウィル・スミスに平手打ちされたクリス・ロック、ケビン・ハートらも出演していた。

 シャペルは人種差別や性の問題など、きわどいジョークが人気で、ネットフリックスの特番でトランスジェンダーに関するジョークで物議を醸していた。この日も、そのジョークが原因で、「身の危険を感じている」と漏らし、厳重な警備を求めていた。

 TMZによると、当日は1か所を除く全ての入場口に金属探知機が設置されていたという。リー容疑者がその入口から会場に入った可能性があるとロス市警関係者は指摘した。

 事件後、イベントは再開され、ステージに上がったロックは「あれ、今のはウィル・スミスだった?」と自虐ネタで会場を沸かした。