通常、このコラムでは1995年から2020年までの25年間、四半世紀の間に発表されたアニソンを取り上げているのだが、今回は〝番外編〟として、対象期間から外れた曲にスポットを当ててみたい。

 1987年放送の高橋留美子原作アニメ「めぞん一刻」第3クールでオープニング曲に起用されたのが、日本が誇る〝ポップ・マエストロ〟松尾清憲の「サニーシャイニーモーニング」だ。

 当時の人気アニメでは、ヒットチャート常連の大物アーティストの楽曲がタイアップ使用されることが多かった。この「めぞん一刻」も、第1クールが斉藤由貴の「悲しみよこんにちは」、第2クールが安全地帯の「好きさ」といずれも当時の大ヒット曲。それらに比べると「サニーシャイニーモーニング」はヒットしたとは言い難いが、楽曲の素晴らしさは〝めぞん一刻関連楽曲〟の中でもピカ一。イントロのシンセブラスが華やかな響きを奏で、跳ねるようなリズムに乗せて松尾清憲印全開の超ポップなメロディーが歌われる。

 明るい曲調でも、決して能天気にはならず、どこかに必ずセンチメンタルなムードを残しているのも松尾ならでは。一聴してそれと分かる独特な声質も一因かもしれない。

 何よりも、発売から既に35年たった今でさえ、古びたところが全くないというのがすごい。最新のアニメ、特にラブストーリーや青春物で主題歌としてそのままリメークせずに流れてもおそらく何の違和感もないだろう。実際、今期放送中の、あのアニメやこのアニメ(あえてタイトルは伏す)に「サニーシャイニーモーニング」はピッタリだと思うのだが。