タレント清水ミチコ(62)が10日、都内で行われた映画「瀬戸内寂聴99年生きて思うこと」(中村裕監督、27日公開)の完成披露試写会にゲスト登壇し、レパートリーのひとつである寂聴さんのものまねで舞台あいさつを沸かせた。

昨年11月に99歳で亡くなり、15日に100歳を迎えるはずだった寂聴さんの「生誕100年」を祝う上映会。

清水は、登場するなり寂聴さんになりきってトークを始め、明るい早口で「今まで好き勝手にものまねされてきましたのでね、きょうは体を借りて、私のほうが利用しているわけでいるわけでございます」。また「お墓参りに行くよりもね、こういう劇場参りに来てくれた方が心の墓標が立つということがございますのでね、ぜひ見ていただきたいと思います」とPRして客席を笑わせた。

寂聴さんと会う機会はなかったというが、清水のものまねを応援してくれていたという。「20年前に手書きのはがきをいただいた。『私のようなものをよくぞ書いてくれました。頑張ってください』と書いてあって、懐の深さに感動した。許してくださっただけじゃなく、背中を押された気がした」。また、「私もぜひ100まで、いや、煩悩の数の108まで長生きしたい」と話した。

この日は、中村監督のほか、寂聴さんをよく知る秘書の瀬尾まなほさん(34)も登壇。17年間寂聴さんを取材した中村監督は、「ちゃんとやらないとご供養にも何もならないぞと思い、ようやく完成した。先生が生きている間に見てもらいたかったが、『死んでもどこかで見てるよ』と言われていたので、信じたい」。瀬尾さんは「たくさんの方に、元気だった姿を見ていただけるのはありがたいこと」と話した。