負の連鎖から抜け出せない。大相撲夏場所3日目(10日、東京・両国国技館)、大関正代(30=時津風)が小結大栄翔(28=追手風)に一方的に押し出され、初日から3連敗となった。

 昨年九州場所から3連敗中だった相手に、またも黒星を喫し「ちょっと苦手意識があるかもしれないですね。最近、合口もよくないし、いいイメージがない」と肩を落とした。

 序盤戦で苦しむ姿は、初日から4連敗した先場所と重なる。当時はカド番だったことやコロナ感染による調整遅れという不安要素があった。今場所は活躍に期待がかかっていたが、いまだ初日が出ない。「早い段階で初日を出して、そこから調子を上げていけたら…」と言葉を絞り出した。

 土俵下の佐渡ヶ嶽審判長(元関脇琴ノ若)は「元気がない。ここで切り替えて正代らしい相撲を取ってほしい」と奮起を促した。

 しかも、この日は正代だけでなく御嶽海(29=出羽海)と貴景勝(25=常盤山)も敗れて〝大関総崩れ〟の異常事態。場所前には審判部長の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)が「大関というのは横綱を目指して頑張らないとダメ。星数的にも常に優勝争いするようにしっかりやっていかないと。大関として責任を持ってしっかり調整してこないといけないんじゃないか」と話していたが、このままではV争いどころか、再び陥落の危機が現実味を帯びてくる。

 序盤戦にして、看板力士が早くも正念場を迎えた格好だ。