今月3日に66歳で死去した俳優渡辺裕之さんの密葬が10日、横浜市内で営まれ、妻で女優の原日出子(62)が、所属事務所を通じてコメントを発表した。原は、コロナ禍の中で先行きの不安を口にするようになった渡辺さんが自律神経失調症の診断を受け、薬で治療を受けていたことを明かし「全ての苦しみから解放され、自由になれたのだろうと信じたいです」と、悲痛な思いを記した。

原は、渡辺さんの密葬を執り行い荼毘(だび)に付したことを報告。「急すぎる別れから1週間、とても心の整理もできませんし、語る言葉も見つかりません。『何故…』はきっと誰にもわからないと思います」としながらも、新型コロナウイルスに関連した自粛の中、渡辺さんが不安や不眠を訴え、考え込むことが多くなったことを明かした。

診断と投薬治療、仕事が少しずつ忙しくなったこともあり、元気を取り戻したように見えたそうだが「少しずつじわじわと、心の病は夫をむしばみ、大きな不安から抜け出せなくなりました」とし、医師と相談の上“希望の持てる治療”を始めた矢先だったとした。

亡くなる前日、渡辺さんは、テレビ東京系「ゴルフのキズナ」の収録に向けて準備をしていたという。「久しぶりに元気に動き回り、治療の甲斐もあったのかと安堵(あんど)していた」と振り返った。渡辺さんの急死に、原は「この数カ月、私も、家族も、懸命に向き合った毎日でした。今は何を思っても、言い訳になってしまいそうで、後悔を数えたらきりがありません」と記した上で、応援し支えてくれた人々に感謝を示し「信じられないほどきれいで、安らかな顔で旅立ちました。それだけが私たちの救いです」とした。

所属事務所は「原日出子とご家族のこれからをそっと見守っていただけますよう切にお願い申し上げます」と記した。

同日、渡辺さんの所属事務所もホームページで密葬を報告。「渡辺裕之の魂は決して失われる事なく、これからも皆様の心のうちに輝き続けることを祈っております」とつづった。

 

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